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坐石聴松図巻 湯貽汾筆(清 黒川古文化研究所)
第111回展観 3館連携「松・竹・梅」展
−美と徳の造形–

会 期 | 2014年4月19日(土)~5月18日(日)
時 間 | 10時~16時(受付は15時半まで)
入館料 | 一般500円 高大生300円    
    ※20名以上で上記より2割引団体料金
    ※中学生以下無料
休館日 |月曜日
    ※5/5(祝)は開館、5/7(水)は休館
主 催 | 公益財団法人 黒川古文化研究所
後 援 | 西宮市教育委員会

展覧会概要

 松は冬でも緑を保つことから、東洋においては高潔さの象徴とされ、長寿・繁栄の吉祥ともされてきました。その起源は古く『詩経』『論語』などの中国古代の古典にまで遡ります。六朝時代には、高節の士が松に喩えられ、人物画の背景にも描かれるようになりました。唐代になると、岩とともに描く松石図が流行し、豊かに茂る唐風の松が成立します。その表現は日本にも伝えられ、やまと絵や、和鏡の蓬莱文様などに受け継がれていきました。宋代には水墨技法を基調とした瀟洒な枝振りが好まれ、室町水墨画にはその影響が顕著にみられます。また、元以降に盛んになる文画では、描き手の精神が筆墨に発露された様々な松が描かれていきます。
 我が国でも松は古来、和歌に盛んに詠まれ、富士とともに描かれる三保の松原、高砂図に配される相生の松など、芸術とのかかわりは尽きることがありません。
 このように日頃から接する機会が多いモチーフにもかかわらず、それらに込められた意味や由来が紹介されることは必ずしも多くないように思います。本展は、関西の三館が連携し、松竹梅から一つずつテーマを選んで関連作品を陳列する「松・竹・梅」展の一環で、松の様々な造形と意味をご紹介します。日ごろ見慣れた松の姿に、古代より、脈々と受け継がれてきた東洋文化の豊かな伝統を実感していただければ幸いです。


3館連携「松・竹・梅」展の開催にあたって

 松竹梅は、起源のよい植物として現在でも広く親しまれています。もともとは、冬の寒さに耐えて緑を保つ、あるいは花を咲かせるところから、中国において高潔さの象徴とされ、宋代以降は「歳寒三友」とも称されて、次第に吉祥のイメージが強まっていきました。ただ、そこに表された意味や由来を探っていくと、より多彩な世界があることに気付かされます。
 このたび、黒川古文化研究所・大和文華館・泉屋博古館は、各館が松・竹・梅を一つずつ受け持つ連携展を企画しました。相互に借用を行なって、日本・中国・朝鮮半島の絵画・鏡・漆器・陶磁器・文房具・刀装具など様々な作品を陳列します。
 早春から新緑へ向かう季節、奈良・京都・西宮と会場を巡っていただき、それぞれのモチーフの特質をとらえた先人たちの美意識と、その背後に込められた豊かな精神をご堪能ください。

講演会

鑑賞講座 各回午後1:30〜
会場:当研究所講演室(入館者は聴講無料)

5/3(土・祝)「中国絵画の松 −描法変遷からみえるもの−」
         研究員 竹浪 遠
5/10(土)「松に込めたおもい −江戸時代の絵画−
      研究員 杉本 欣久
5/11(土)「日本における松紋様の全体像」
      研究員 川見 典久
 

展示目録

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