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第94回展観 
青銅の鏡・日本

会 期 | 2005年10月15日(土)~11月13日(日)
時 間 | 10時~16時
入館料 | 一般500円 高大生300円    
    ※20名以上で上記より2割引団体料金
    ※中学生以下無料
休館日 |月曜日
主 催 | 財団法人 黒川古文化研究所
後 援 | 西宮市教育委員会

展覧会概要

 中国では新石器時代の末期、紀元前2000年以前に青銅を用いて鏡を鋳造(鋳型に溶かした金属を注入して器具を造ること)し、清時代までおよそ400年間にわたって造り続け、活用してきました。
 鏡は人の姿を映すだけでなく、人間の魂、精神とも結びついており、時代の流れを反映しています。たとえば青銅鏡の背面に鋳だされた図文は、古代人が天上に存在すると確信していた神々のありさまを写し、所有者にもたらす福禄の瑞祥を示しています。また、地金の質や製造の痕跡は工芸の水準だけでなく、当時の産業経済や科学技術の実態を物語ってくれます。
 日本でも弥生時代の中期には中国・漢の青銅鏡がもたらされ、やがてそれらを模倣した造鏡がはじまりました。そのころから、古墳時代、奈良時代、平安時代の前期に至るまで中国歴代の青銅鏡が舶載されるとともに、それらの倣製も盛んになっていきます。今日、仿製鏡あるいは倭鏡と称されているのはそのような漢、魏晋南北朝、隋唐時代の青銅鏡を日本で倣製した遺品です。
 平安時代の後期になると、中国の神仙、瑞祥の図様やそれらを変容させた図文は姿を消し、山野や水辺の風物を絵画的に描いた図が背面を飾ります。芸術の和様化の一環と見なされている変化ですが、動機が唐時代後期から宋時代にいたる中国文化の変質にもあったことは見逃せません。
 室町から江戸時代にかけては、鏡が思想や宗教との結びつきを取り戻す過程であり、和様化した意匠に日本的な瑞祥が組み込まれ、近世手工業の産品として性格をあらわにしていきます。
 考古学的な発掘調査に重要なてがかりとなる青銅鏡の変遷をたどるとともに、青銅鏡を通じて、日本人が工芸に託した心情を探る契機を提示します。

講演会

11/3(木・祝)午後1:30〜
東京芸術大学 名誉教授 中野 政樹 氏
「唐鏡から和鏡へ -正倉院宝物鏡を中心に-

場所 当研究所内講演室
入館者は聴講無料(満席になりなり次第、締切とさせていただきます。)

列品解説
 10/23(日),11/6(日)各回午後2:00〜
 所員による展示解説を展示室にて行います。

展示目録

展示目録詳細はこちらをご覧ください。

関連書籍のご案内

収蔵品選集「青銅の鏡 −日本−
こちをご覧ください。
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