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かしわばらがくじ おんこしゅう
柏原学而『温古集』

31.4×538.0㎝

明治十二年(1879)自序


古鏡、銅印、古瓦、古鈴、古銭、銅鑼など39点から取った拓影の紙片を貼り込み、名称や所蔵者、由来などを記した色箋を添えた巻子です。
作成したのは十五代将軍徳川慶喜の侍医を務めた柏原学而(1835~1910)で、愛好家との交友で触れた古物から取拓したといいます。
 
維新後、慶喜にしたがって静岡に移り、医業のかたわら古物の収集を趣味とした学而は、近隣の好古家たちと古物談義を楽しみ、ときには展観会を催したことが知られます。
 
『温古集』には自身のほか、大宮町(富士宮市)の町役人を務めた角田家、幕末に蝦夷地を探索した松浦武四郎(1818~88)、旧幕臣の牧師で民俗学者としても知られる山中共古(1850~1928)、主君であった徳川慶喜、書家菊池晁塘、画家宮原水雲、同好の浅井氏らの所蔵品が収録されています。
添えられた色箋には出土地の情報を有するものもあり、現物から取った拓影である点からも、明治前期における好古家の動向や静岡周辺の考古学的状況を知る重要な資料となっています。
 
さらに『温古集』収録品として、幕臣福田竹庵(1774~1819)旧蔵で松浦武四郎所蔵の方格規矩四神鏡(静嘉堂文庫美術館)、伝大和国丹波市村(天理市)出土の渦文鏡(早稲田大学會津八一記念博物館・服部コレクション)、伝一本松古墳(賎機山1号墳 静岡市葵区)出土の鳥頭四獣鏡(個人蔵)の現存が確認できます。

(川見)


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